カモの発音はパァトゥシィ - Warren Buffett

If you've been playing poker for half an hour and you still don't know who the patsy is, you're the patsy.

- ポーカーを始め、しばらく経っても誰がカモか分からなければ、お前がカモだ。



「狼は生きろ、豚は死ね」級の本当に素晴らしい名言。

この名言、発言者は『投資の神様』ウォーレン・バフェット。

コカ・コーラやウェルズ・ファーゴ、アメリカン・エキスプレスなど、成長企業を次々発掘。長期投資を基本スタイルに9兆円ぐらい手にした上で、ウォール街等ではなく故郷オマハで質素な生活を送っている事から、敬愛を込めて『オマハの賢人』とも呼ばれる。一方、(あくまで公言している)投資スタンスに疑問を持つ人々の間では「バフェット故に勝った」のか「単に勝ったのがバフェット」なのかの鶏卵論争もチラホラ。



ファンダメンタリストのバフェットの投資スタンスは以下のような内容。

  • 投資とは「損した奴が負けゲーム」。本質の「損しない=勝ち」を、お忘れなく。
  • 割安銘柄を探して小分けに短期とかじゃなく、優良企業にまとめてドンの長期で。
  • 優良企業とは馬鹿が社長でも揺るがない会社。大概そうなるので前提で考えます。
  • 訳知り顔の人達の意見は全部無視で。貴方の資産の心配をしているのは貴方だけ。
  • そもそも、知識量や賢さではこの勝負に勝てません。何よりも「気質」が重要。


まつわる発言の正確な言い回しは以下。

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Rule #1: Never lose money. Rule #2 : Never forget Rule #1.

- 第1ルール、損しないこと。第2ルール、第1ルールを忘れるな。


Diversification is a protection against ignorance. It makes very little sense for those who know what they're doing.

- 分散投資は無知を保護する手段だ。投資を理解している人にとって、分散投資は理にかなっていない。


It's far better to buy a wonderful company at a fair price than a fair company at a wonderful price.

- 並の企業を安く買うよりも、優良企業を適正な値段で買う方が全然良い。


I try to buy stock in businesses that are so wonderful that an idiot can run them. Because sooner or later, one will.

- 私は馬鹿でも経営できるほど優良な企業の株を買うようにしている。なぜなら遅かれ早かれどの会社もそういう人が経営するのだから。


Never ask a barber if you need a haircut.

- 散髪が必要かどうかは床屋に聞いちゃいけない。(証券会社のレポートやアナリストや窓口担当者は、あくまで会社を儲けさせることが仕事)


Wall Street is the only place that people ride to in a Rolls-Royce to get advice from those who take the subway.

- ウォール街は唯一、ロールスロイスで送り迎えされる人が地下鉄で通う人からアドバイスをもらうところです。


The difference between successful people and really successful people is that really successful people say no to almost everything.

- 成功者と真の成功者の違い、それは真の成功者はほとんど全ての事にノーと言う事である。


Success in investing doesn't correlate with I.Q. once you're above the level of 25. Once you have ordinary intelligence, what you need is the temperament to control the urges that get other people into trouble in investing.

- 25以上のIQがあれば投資での成功は頭の良さとは何ら関係ない。それなりの頭があれば、投資で必要なのは多くの投資家を失敗に陥れる衝動をコントロールできる気質だ。


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「結局、(気質に基づく)ハートの強さが一番大事」と。ここは激しく同意。

「絶対安定大手への集中投資で長期保有」は金持ちの必勝法なので、自分のような「割安に分散で短期」とは真逆。ただ、それが「薄くとも確実な儲け目的」でなく、「安定も集中も長期も、全ては腹を括る為の選択」とくればおっしゃる通り。「衝動をコントロールできる気質」がある上でしっかり腹を括れたら、「勝ち逃し」も「負け逃げ」もなくなるのは事実。地獄の底に堕ちるリスクも高まるが。



最も重要なベースたる「気質」を培わせる為に、バフェットが若い人達に向けて好んで発信した言葉がある。


Chains of habit are too light to be felt until they are too heavy to be broken.

- 習慣という鎖は、初めは軽すぎて感じられないが、やがて重くなって壊せなくなる。


この本人フェイバリット・フレーズは、以下のような話のシメに使われる。

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誰かの将来の収入の10%をもらい続けられるとしたら、周りの誰に投資しますか?きっと、成績や賢さを理由には選ばず、尊敬できる人、人間性が良い人を選ぶでしょう。一方でもし誰か一人を10%ショート(空売り)できるとしたら、成績と関係なく、傲慢で、噓つきで、不誠実で、狡賢く、怠慢な人を選ぶでしょう。両者の性質を見てみると実は誰でも持てるもの、もしくは取り除けるものなのです。何も100メートルを9秒で走る能力とか、150キロの球を投げる能力とかは求められていないのです。10%買いたいと思う人の尊敬する性質を自分もまね、10%ショートしたいと思う人の嫌な性格を、自分からも排除するよう努めれば、結果的に10%を買いたいのは自分自身になるでしょう。歳をとってからでは性格を変えるのは非常に難しいですが、皆さんはまだ若いので悪い習慣を取り除くことができます。

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生前、『オマハの賢人』と讃えられたウォーレン・バフェットの面目躍如が目に浮かぶ。



して、冒頭の言葉である。

ポーカー(=ゲーム)には常にカモがいる(誰かではある)と氏は語る。「絶対安定大手への集中投資で長期保有」という健全かつ明瞭なスタンスで参加してる事になっているゲームにおいてのカモは誰であろう。他の者達はバフェットを敬愛の対象と見なしている。少なくとも、結果として得るものを大量に得ているバフェット本人がカモな訳はない。となるとカモは、、、。

また、ポーカーは2人~複数のゲームであるから、二者間の人間関係であってもあてはまると考えられる。友人関係、恋愛関係において、それが信頼や愛情で成り立っていると自分側が思っているとすれば、相手をカモと見なしてない訳で、その関係におけるカモは、、、。

やはりこれ、「狼は生きろ、豚は死ね」級の本当に素晴らしい名言。

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